再び絵が描けるようになったきっかけをお話ししたいと思います。
2005年にミュージカル「モーツァルト!」と「エリザベート」の公演があり、東宝のホームページに河合篤子さんが「一人旅日記」というタイトルで、オーストリア旅行で観劇したことや観光したことをつづっていました。その中に、イースターegg専門店の話がありました。
イースターエッグをお土産に買う人なら、私のエッグアートを贈っても、気味悪がらないでくれるかな。そんな期待をもって、ファンレターを添えて贈ってみました。
旅日記の最後に、”世界にたった1つの卵”をありがとうと載せていただき、すっごく嬉しかったです。
河合篤子さんは「モーツァルト!」だと、市場の果物屋のおばさん、コロレド大司教が侍らせている色っぽいお姐ちゃん、魔笛小屋に飲み物を持ってくる浮気相手などを演じられていました。
「エリザベート」では、エリザベートの父と浮気する家庭教師、エリザベートの美容品を運ぶメイド、精神病院のもう一人の皇后など。ちなみに、髙嶋政宏さんと共に、初演から連続出演している人の一人でした。
この時に、井上芳雄さんと中川晃教さんのエッグも作っていて、この中の数人に目力を宿すことができたのです。
描き上げた時、自分の肩を抱いて、震えながら、言葉にならないうめき声を出してしまいました。手ごたえのある絵を描けなくなってから12年!! 子どもが生まれて小学校を卒業するまでの時間と一緒。
この後、自信を回復して制作活動をするのですが、復活というよりは、新生にかいの誕生と感じています。
以前のモットーは、前後の時間を想像できそうな動きがある絵柄で、重力を忘れず、内臓や骨が入っているような体の人物を描くというものでした。しかも自分から湧き出すエネルギーだけで充分だったので、人のエネルギーを辿る模写や似顔絵は、自分のエネルギーを抑えないといけないからやりたくないと公言していました。偉そうですね。
今は、以前のモットーなんて考えたら絵が描けなくなりそうです。自分のエネルギーが低下した分、アーティストの曲にサポートしてもらったり、似顔絵の本を買ってみたり、人に喜んでもらうことが創作エネルギーになるということに気づいたり、人と関わり合いながら絵を描いています。
インスタで作品を公開しているので、リンクしました。お時間がある時に見てもらえると嬉しいです。
[5/9追記]
https://nikai-egg.amebaownd.com/
ミュージカルの作品紹介をしています。よろしければ、こちらもご覧ください。
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